隠退牧師の徒然記<576>

牧師の隠退徒然記(2016年3月1日~)<576>
2021年3月15日「いろいろな暦を示されながら」

聖書の言葉
生涯の日を正しく数えるように教えてください。知恵ある心を得ることができますように。(旧約聖書詩編90編12節)

いわゆるカレンダーにより、日々の歩みを確認している。早くも3月の半ばを歩んでいるということである。そして、感覚的にも示されているが、もはや春の季節を迎えているのであり、カレンダーがそのメッセージを伝えているのである。今は梅が盛りであり、間もなく桃の花、桜の花が咲くのである.我が家の庭に咲く源平桃もかなり芽が膨らみつつある。3月末から4月の初めの頃は赤と白の源平桃の花を楽しむのである。暦ということでは、キリスト教の暦がある。今年は4月4日がイースター復活祭である。そのイースター前は受難節と言い、40日間イエス様の十字架への道を示されながら歩むのである。だから今は、春の到来を喜びつつもイエス様の十字架への道を示されながら過ごしているのである。
昨年の大塚平安教会のカレンダーは最後の晩餐の絵であった。一年中、最後の晩餐を示されながら歩んだのである。ところが、今年の教会のカレンダーの絵は聖画ではなく、クロード・モネの絵画が使われている。私が在任している頃から教会のカレンダーはキリスト教の聖画を使っていた。制作会社がいろいろな聖画を用いるのであるが、聖画を示されながらの一年の歩みは、それなりに意味深いと思う。ミレーの聖画等は意味深く示されていた。「落穂拾い」、「晩鐘」はカレンダーで示されていたが、パリを訪ね、オルセー美術館を見学した時、実物画の前に立った時の感動は忘れられない。今年はモネの絵画であった。当初、カレンダーを見たとき、モネの絵とは思わなかった。カレンダーに使われているモネの絵画は、「黄昏、ヴェベネツィア」との題である。最初にこの絵を見たとき、黄昏時の絵なので赤色がきつく見えるのであった。当初はこの絵がモネの絵であるとは思わなかった。モネと言えば「水連」であり、パリのオランジュリー美術館に展示されている「水連」の一連の絵が忘れられないのである。日本でもよく知られている「水連」の絵画が、一部屋の周囲に飾られている。カレンダーの黄昏の絵も心に示されるが、やはりモネと言えば「水連」の絵である。
暦のことを記しているのに、絵画に移ってしまったが、3月と4月はこの世の暦とキリスト教の暦が意味深く示しているということである。さらに触れれば、日本の暦というものがある。「大安」とか「友引」との意味でその日が定められているのである。大安は良い日ということで、この暦の日にはいろいろなイベントが行われる。以前、腰痛で入院したことがあるが、退院の日は大安の日と決められたのである。この時期は卒業と始業、受難節と復活祭、夫婦の結婚記念日、子供の誕生日、父や姉の召天記念日等、いろいろと記念する日が続く。長い人生のお恵みというべきか。そして順次咲いてゆく花の季節を迎えているということである。暦の歩みは人生の移ろいであり、いろいろな移ろいを示されながらの歩みを感謝しつつ受け止めているのである。さて、今日はどんな暦の移ろいなのか。

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今年のカレンダーに使われているクロード・モネの絵画。
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オランジュリー美術館にてモネの「睡蓮」を鑑賞する。
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