隠退牧師の徒然記<634>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日~)<634>
2022年4月25日「歩みを確認しながら」

聖書の言葉
エスのなさったことはたくさんある。その一つ一つを書くならば、世界もその書かれた書物を収めきれないであろう。(ヨハネによる福音書21章25節)


4月の第四日曜日といえば、多くの場合、それぞれの教会は総会を開催する。総会においてはこの一年間の歩みを確認し、新しい歩みを取り決めるのである。一年間の歩みは、教会にはさまざまな取り組みがあるので、諸報告をまとめるのは結構大変であり、そしてまたそれぞれの取り組みの新しい計画が網羅される。報告と計画で総会の資料がかなり分厚くなるのである。これらの総会資料は教会の皆さんが作成してくださるのであるが、今はパソコン等資料を作成するのは簡単とは言えないができるものである。しかし、昔はパソコンもワープロもないし、印刷は謄写印刷が主流であった。タイプ印刷も行われていたが、導入するには資金も必要である。大きな教会にもなると、資料は印刷屋さんに持ち込む。しかし、小規模の教会は印刷屋さんに持ち込むほど多くの印刷はない。しかし、それでも資料を作らなければならない。自ずと牧師が謄写印刷で作成するのである。謄写印刷を昔はガリ版刷りと称した。ガリ版なるものを習ったわけではないが、経験で何とか印刷できるようになるのである。高校生時代、教会の高校生会でいろいろな印刷物を発行するようになり、文集まで会員が作成したのであった。そのように経験が、牧師になったころ、まだガリ版の時代であり、教会の週報を始め総会資料まで手掛けたのであった。最初の教会は副牧師であり、もっぱら事務仕事に徹したのであった。最初の教会で4年間、次の教会で6年間、毎週の週報はガリ版刷り、総会資料もガリ版刷りであり、実に10年間はガリ版刷り専門であった。ところが、その後30年間務める教会に赴任した時、印刷物はすべてタイプ印刷であった。教会には数人のタイプ印刷をされる方がおられ、印刷機も機械であり、もはや手作業の謄写印刷の出番がなくなる。数年はタイプ印刷であったが、その後、ワードプロセッサーなるものが普及するようになるのである。このワープロ作業はかなり続いたと思う。その頃は、ワープロ作業は特定の団体が使用していたのであり、一般には普及しなかったのである。そして、いよいよパソコンの時代になるのである。パソコンは一般の皆さんも使用するようになり、いろいろな印刷物にしても、皆さんが自分で作るようになるのである。印刷の仕事と言えば牧師の特権のような印象であったが、今や牧師はみ言葉に集中しなければならない。
もはや隠退しているので、印刷の職務はないのであるが、昔取った杵柄は、今も変わらない。六浦谷間の集会として週報を印刷し、発行しているし、説教やブログを公開している。いずれもパソコンのおかげである。パソコンがあり、プリンターがあるので、文書をまとめては冊子にしている。冊子にすること、いつまでも残す気持ちはないが、まあ、自己満足で冊子を発行しているのである。若い時に印刷を楽しんだことが、今の楽しみになっているのである。自分史とか、いろいろ書くことを求められているが…。

謄写印刷のガリ版。この上で文字を書く。
これらはガリ版で版下を作り、謄写印刷したもの。

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