隠退牧師の徒然記<732>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日~)<732>
2024年3月11日「春に向けて ⑥」

聖書の言葉
兄弟たち、主が来られるときまで忍耐しなさい。農夫は、秋の雨と春の雨が降るまで忍耐しながら、大地の尊い実りを待つのです。(ヤコブの手紙5章7節)

前回、1月、2月、3月の歩みをする中でも、春に向けて忙しく過ごすことになると記している。卒業生を送り出す準備、新しくお友達を迎える準備等である。送り出すことでは、もう一つの取り組みがあった。卒業する子どもたちとお昼のお弁当を食べることである。お弁当を持ってクラスに行くことも考えたが、一人一人とお話ができない。そこで、数人ずつ園長室に招き一緒にお弁当を食べることにしたのである。毎日、4、5名のお友達が園長室にやって来る。みんな胸を弾ませてくるようである。当初、園長室にお招きするお友達にお手紙を渡していた。「〇〇さんへ。明日、園長室でお話をしながらお弁当を食べたいので、ぜひ来てください。」とのお手紙を渡すのであるが、保護者のお母さんのお話では、寝るとき、枕元においていたということである。そして、当日お友達と共にやって来る。園長室を見回し、園長のお弁当を覗きこみ、わいわいと言いながら自分のお弁当を広げる。そしてお話をしながら食べるのであるが、口の中にいっぱい詰め込みながら話すので、ゆっくり食べるよう促すのであった。お話ばかりして、少しもお弁当が進まないお友達もいる。お話は、今までどんなことが楽しかったか、と聞くのであるが、やはり最近のことの思い出である。最近のことと言えばクリスマスのことであり、年があけて凧揚げ大会をしたこと、卒業遠足で出かけたことなどが話題となるのであった。お手紙を渡していたのは最初の頃で、その後、お手紙を渡すことなく、突然、園長室で食べることを先生から言われるのである。それでもうれしいことであり、賑やかにやって来るのであった。事前に知らせてなかったので、その日、園長先生とお弁当を食べたことを聞いたお母さんが、「知っていればねえ」と言い訳のようなお言葉をいただくのであった。お弁当箱一面に海苔、ふりかけのみのお弁当等もあるが、いろいろなおかずが楽しく入れられているお弁当も。お弁当の品定めをするのではないが、いろいろなお弁当を示されるのであった。あるお母さんが、毎日のお弁当の写真を写しておき、アルバムにして見せていただいたことがある。幼稚園時代のお弁当作りは、貴重な歴史になるであろう。小学校に進めば給食となり、もはやお弁当を作ることが無くなる。卒業間近のお友達とお弁当を食べる季節は「春に向けて」のプログラムなのである。クラス全員のお友達とのお弁当が終わるころ、もうすぐそこに春が来ているのであった。時々であるが、隠退している今、一人でお昼のご飯を食べながら、今頃はお友達とお弁当を食べていたなあ、と思い出すのであった。もう春がそこまでやってきていると知らされるのである。

収穫感謝礼拝後、全員の会食
卒業するお友達とお弁当を食べる
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