隠退牧師の徒然記<602>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日~)<602>
2021年9月13日「地上の営みを示されながら」


聖書の言葉
さあ、目を上げて、あなたがいる場所から東西南北を見渡しなさい。見えるかぎりの土地をすべて、わたしは永久にあなたとあなたの子孫に与える。あなたの子孫を大地の砂粒のようにする。(創世記13章14-15節)


 いくつかの雑誌を購読しているので、書店の方が配達してくれる。いちいち本屋さんに買いに行かなくても配達してくれるのでありがたい。2010年3月に前任の勤めを終えたのであるが、それまで出入りしていた書店の方が、退任後の住所を知り、今の住まいにもよってくれている。従って、現役在任中からの購読雑誌等を配達してくれるのである。その中に「山と渓谷」という雑誌がある。在任の頃は、山登りを楽しんでいたので、山を紹介する雑誌は楽しみの一つでもあった。今は、まったく登山の気配はないのであるが、山の写真を見るだけでも喜びなのである。雄大な、そして迫力のある山の威容を示されるのであった。実際に登ったこともない山であるが、この山の上から四方を見たら、さぞ壮観であろうと示されている。いかにも山登りの経験者のようであるが、高い山と言えば八ヶ岳谷川岳南アルプスくらいの登山歴である。
 山の頂上で下界を見渡すことは、天の国から見渡しているようでもある。自宅からそれほど遠くもない場所に鷹取山がある。昔は里山の中心のようであったが、今では鷹取山の登り口まで宅地になっている。標高139mの低い山であるが、やはり高台なので、そこから見ると東京湾から房総半島まで見えるのである。昔、太田道灌がここで鷹狩りをしたというので鷹取山と言われている。今では低山というより高いところにある公園との印象である。ここで石を切り出したので、岩壁があり、今ではロッククライミングで楽しまれている。ここから神武寺へと抜けるハイキングコースも楽しんでいる。なにも遠くまで行き山登りをする必要がなく、このコースを歩くだけでも登山の喜びが与えられるのである。何よりもここからの鳥瞰図は天の国から見下ろしているようだ。
 鳥瞰図と言えばスペイン・バルセロナの街並みを高台から眺めたことがある。バルセロナと言えばサグラダ・ファミリア教会、円筒形の水道局の建物、そしてツインタワーやコロンブスの塔が際立っており、鳥瞰図でもかすかに示されるのであった。東京にあるスカイツリーは600m以上であり、まだ上ったことがないが、さぞ下界を見渡せることであろう。しかし、都会の中にあるタワーから見渡しても、ひしめき合っている建物を見るのであり、あまり感動は示されないのである。東京タワーやマリンタワーに上って下界を見下ろした経験であるが。それに対して鷹取山バルセロナの高台からの鳥瞰図は心に示されるのである。鳥瞰図と言っても、あまり高いところから下界を見下ろしても、何が何だかわからないと思う。下界を見下ろして、覚えのある物件を探し当てるくらいの距離であることだ。そのくらいの距離での鳥瞰図は、いろいろと覚えのある物件を確認する喜びがあるのである。箱庭を見るつもりなのかな…。

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鷹取山からの遠望。東京湾から房総半島までも見られる。
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鷹取山は、今はロッククライミングで楽しまれている。
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鷹取山から神武寺までのハイキングを楽しむ。
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バルセロナの高台から街を見る。
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バルセロナの北にある不思議な形の山。

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