隠退牧師の徒然記<615>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日~)<615>
2021年12月13日「いつまでも示されているので」

聖書の言葉
あなたはゴフェルの木の箱舟を造りなさい。箱舟には小部屋をいくつも造り…。ノアはすべて神が命じられたとおりに果たした。(創世記6章14-22節)


今年も一年の終わりを迎えている。12月にもなると締めくくりということで、何かと出来事を振り返る。今年の重大ニュースということで、社会の出来事等を列挙する。そういえばそんなことがあったと改めて示されるのである。改めて思い出すのであるが、創造物という存在は、存在そのものが現在に語りかけているので、改めて示されるもではない。スペインはバルセロナサグラダ・ファミリアというカトリック教会がある。まだ建設中であり、完成の途上にある建物である。この度、「マリアの塔」が完成し、そのお祝いが日本でも報道されている。娘がバルセロナに在住しているので、市民の皆さんが完成を喜んでいる様子を知らせてくれたのであるが、追いかけるように日本でも報道していたのである。サグラダ・ファミリアは聖書に因んで建設されており、イエス・キリストの塔、12使徒の塔が建てられており、今回は「マリアの塔」が完成したのであった。そのお祝いのセレモニーが行われ、多くの人々が喜びつつ教会に押し寄せたのである。教会の中に入れるのは限られており、教会前の広場には大勢の人々が押し掛けたのであった。バルセロナには三度にわたり滞在しているが、「光の祭典」に臨んだことがある。サグラダ・ファミリアの教会そのものに光を当て、大音響で盛り立てる。それはそれは物凄いイベントであった。そのイベントは何回も行われたのである。その都度多くの人々が集まり、光の祭典に飲み込まれるのであった。いずれの塔の完成も人々の喜びであったろうが、今回の「マリアの塔」の完成は倍増の喜びなのである。カトリックの国では、教会はマリアさんを奉る教会がほとんどである。みんなマリアさんの名前なのである。信仰はマリアさんに向かっているのである。その意味でもサグラダ・ファミリア教会に「マリアの塔」が完成したので、人々の信仰が強められているのであろう。少しばかり疑問視しているのは、「ヨセフの塔」ができないのか、ということである。サグラダ・ファミリア教会はヨセフ財団が建設しているのである。マリアさんへの信仰があると共に、ヨセフさんの存在に心を寄せる人々がいる。実は私もヨセフさんへの思いが強いのである。
「マリアの塔」が完成したので、サグラダ・ファミリアに心を寄せたのであるが、改めて教会の存在の意義を示されたのであった。2014年にバルセロナに滞在した時、サグラダ・ファミリアの建設に携わっている外尾悦郎さんに内部のご案内をいただいている。娘の羊子がミサの奏楽をしているので、外尾さんとも親しくさせていただいているからである。建築の一つ一つを鑑賞するとしたら何日も要するであろう。建物全体を外から見るだけでも飽きないのである。滞在中、毎日のようにサグラダ・ファミリア教会の周囲を歩きつつ鑑賞したものである。その都度、建築の新しい意義を示めされていた。

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サグラダ・ファミリア、完成した「マリアの塔」、
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サグラダ・ファミリア教会、2014年に撮影で、まだ「マリアの塔」はない。
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サグラダ・ファミリアの内部、大礼拝堂。
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