隠退牧師の徒然記<642>

隠退牧師の徒然記(2016年3月1日~)<642>
2022年6月20日「様変わりになったとしても」

聖書の言葉
神に心を動かされた者は皆、エルサレムの主の神殿を建てるために上って行こうとした。
旧約聖書エズラ記1章5節)


久しぶりに大塚平安教会を訪ねる。関係する委員会が開催されるからである。今年の3月にも訪ねているが、その時も、やはり委員会であり、ただそのことだけで辞したのである。今回も委員会が開催されることになり、変わりゆく幼稚園の状況を見ておくことにしたのである。大塚平安教会牧師とドレーパー記念幼稚園園長に就任したのは1979年である。もはや43年も前になる。新しい教会に赴任することで、そこにはいろいろな課題があることには気にせず、喜びつつ、希望をもって就任したのである。米軍の厚木飛行場が存在しており、飛行機の離発着訓練が行われる。その時には一日中、騒音に悩まされるのである。幼稚園もあり、飛行機の騒音で会話も聞こえない。静かに礼拝をささげていても妨げられるのである。これらの騒音被害については、赴任前には聞いてもいなかったことである。聞いてもいなかったことでは土地問題もあった。教会と幼稚園の敷地の一部は道路計画路線が引かれているのである。もし道路計画が実施されるとなると立ち退かなければならないのである。しかし、道路計画路線が引かれるのは教会や幼稚園が建てられてからなのである。もう何年も経ているのである。計画路線が引かれているものの、路線上には次々と新しい家が建設されている。計画路線は幻の路線である、とは人々の思いなのである。だから建物が建てられるのであるが、教会や幼稚園も新しい建物計画を持つのであるが、なかなか進めない状況になっていたのである。やはり計画路線が引かれているのであり、それを承知で建設しても、もし計画が実施されれば、皆さんの献金で建てられた建物なので、そこで消滅するのでは悲しいことでもある。幼稚園にしても計画路線上にあるので、鉄筋コンクリート造りは禁止されている。飛行機の爆音被害があるので、防衛庁関係から補助金が出るが、計画路線下では対象外なのである。このような様々な制約があるので、当時、県議会議員であった佐竹正道さんと共に関係省庁に掛け合ったのであった。なかなか前進しなかったのである。
いくつかの難問があるものの、教会は何とかクリアして、私が退任してから数年後には新しい教会が建設されている。そして、念願の幼稚園も新しい建物となりつつある。その建設されている新しい幼稚園園舎を覗いてみようと思ったのである。そのことを記すために前置きを記したのである。新しい建物は今までの敷地内に建設されるのではなく、隣りの敷地を得ることが出来たのであった。今までの建設計画では、思ってもみなかった新しい取り組みが与えられたということである。
新しい幼稚園園舎が出来る。そこで、私の過去がすべて消えることになる。教会にしても幼稚園にしても、30年間、人々と共に過ごした場所が消えてなくなることは、新しい存在を喜びつつ、様変わりになったとしてもる、あのぬくもりの営みを忘れまい。

次第に消えゆくたたずまい。
数多くの出会いがあたえられて。

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